強引な次期社長に独り占めされてます!
よく考えてみれば、主任と普通に会話をしたことってあまりないよね。

これそれの書類よろしくだとか、計上訂正だとか、そんなことなら言われなれているんだけど……基本的に私は年齢の近そうな男の人が苦手だし。

確か主任は30代に入ったばかりと聞いたことがあるし、だいたい自分から話しかけるような事もなかったし。

難しい顔をしていたら、ひょいと上原主任が顔を覗いた。

「痛いか?」

「え……はぁ……動いたら」

「目が覚めたら医者が様子見にくるって言っていたから。鎮静剤でも打ってもらえればいいが……頭だからなぁ。打たないかな」

……詳しくはわからないけど。そういうものなのかな?

不思議に思っていたら、主任はちょっとだけ笑って頷いた。

「頭を打っている場合、昏睡状態かそうじゃないか確かめられる事があるんだよ。俺が高校の時に事故にあってな。一時間おきに起こされた」

「……え、私も起こされるんでしょうか?」

「恐らくは。脳震盪は侮れねぇ……いや、侮れないんだ」

いきなり砕けた口調にビックリして目を丸くすると、主任は何事もなかったようさらっと訂正した。

「君はやはり顔をもう少し出すべきだよ。無表情の子だと思っていたが、よく見るとコロコロと変わるようだ」

……あまり見ないで下さい。

そう思っていたらドアが開いて、白衣を着た女の人が入って来ると会話が途切れる。
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