恋は死なない。
古庄のアドバイスを受けて、佳音は円香を抱き直し、ダイニングテーブルの古庄の向かいに、そっと腰を下ろした。
「そういえば、和彦さん、これ……」
お茶を淹れ始める前に、真琴がテーブルの上にペーパーバッグを置いた。何が入っているのかと、古庄が中を覗いてつぶやいた。
「……君は森園がいるのに、案外、大胆な意思表示をするんだな……」
「は……?」
お茶を淹れようとしていた真琴が、訝しそうに振り返ると、古庄はそれをおもむろに、ペーパーバッグから取り出した。出てきたのは、10本組になった栄養ドリンク。
「俺に、こんなものを飲ませて……。もう一人、子作りに励もうってことなんだろ?」
「な……!」
真顔でそう言う古庄に対して、真琴は真っ赤になって言葉を逸した。円香を抱いたまま、どう反応していいのか分からない佳音の様子を窺って、真琴は古庄の誤解を解くのに躍起になった。
「なに、訳の分からないこと言ってるんですか?それは、和彦さんが帰ってくる前に、ラグビー部の狩野先生が持ってきてくれたんです!!たくさんもらったから、おすそ分けだって。」
「え?狩野くんが?一緒に子作りに励もうって、ことかな?」
「だからなんで、栄養ドリンクで『子作り』になるんですか?」
「だって、元気ムンムンになって、『ヤル気』になるだろう?」