『ゆる彼』とワケあり結婚、始まりました。
「あたし…もう二度と職場に復帰したくないの。ゆったり、まったりとした人生を送りたい!別に専業主婦じゃなくてもいいけど、とにかく誰かに癒されたい気分なの。
今までずっと仕事に追われて、やっとこの最近まともに眠れるようになったからこの生活を続けたいだけなの。……ただ、それだけなの……」


ーー人のお世話は嫌いじゃない。だけど、それ以上に今は疲れきってる。
肉体的な疲れならいつかは取れる。でも、心がずっと疲れたままーーー。


小さく呟く声が聞こえた。
愛理が無理してでも燥ごうとしてた気持ちをやっと理解できた。


「じゃあさ…とにかくお見合い当日だけは大人しくしといた方がいいよ。いつもみたいなマシンガントークは無しにして、誰かがいないとダメなのオーラ出しまくるのね。
……いい⁉︎ 間違っても感極まって抱きつく…とかナシよ!」



こうまで言っとかないと、愛理ならペッタリしかねない。
破天荒な性格と妄想が絡み合わさったら、どんな行動に出るか予測不可能だもん…。


「だいじょーぶだよ!あたしだって、初対面の人に抱きついたりなんかしないって!心配ご無用!でも、心配してくれてありがとね!それでね、ちょっとメグに頼みがあるんだけど……」


(散々、喋った後でお願いかい⁉︎ )


聞けば、最初からお見合いに来ていく服を一緒に選んで欲しかっただけで電話してきたとか。



(ーーーおいおい、先にそれ言いなよ…)


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