〔B L〕朽ちた無花果
«晴side»
金曜日。
「こんにちは、今日はいい天気ですね。」
「…ドーモ。」
扉を開けて、佐那斗君が入ってくる。
今日は、なにを知れるのかな?
…あ!
「佐那斗君、聞いて聞いて!
この前ね、ここに誰がきたと思う??」
「知るかよ。何人も来てんだろ?」
「そうなんだけどね…?
ふふっ、なんとマヤさんが、ここに来たんです!
しかもおしのびで!」
「…ふーん」
あれ、あんまり喜ばないんだな。
そっか、マヤさん自体はあまり好きじゃなかったのか。
「サイン貰っとけば高く売れたのにな。」
「またそういうこと言う。
もうちょっと子供らしくできないのかな~。」
「ガキ扱いすんな。」
「えー?
だって、僕からしたらまだまだ若いよ~」
「…だったら。
アンタより人間の汚い部分知ってるって事、分からせてやるよ。」
「え?」