〔B L〕朽ちた無花果


«晴side»


金曜日。

「こんにちは、今日はいい天気ですね。」

「…ドーモ。」

扉を開けて、佐那斗君が入ってくる。

今日は、なにを知れるのかな?
…あ!

「佐那斗君、聞いて聞いて!
この前ね、ここに誰がきたと思う??」

「知るかよ。何人も来てんだろ?」

「そうなんだけどね…?
ふふっ、なんとマヤさんが、ここに来たんです!
しかもおしのびで!」

「…ふーん」

あれ、あんまり喜ばないんだな。
そっか、マヤさん自体はあまり好きじゃなかったのか。

「サイン貰っとけば高く売れたのにな。」

「またそういうこと言う。
もうちょっと子供らしくできないのかな~。」

「ガキ扱いすんな。」

「えー?
だって、僕からしたらまだまだ若いよ~」

「…だったら。
アンタより人間の汚い部分知ってるって事、分からせてやるよ。」

「え?」
< 23 / 79 >

この作品をシェア

pagetop