〔B L〕朽ちた無花果

いや、でも誰かのお見舞いって事もあるし!

…ここに来る可能性は否定できないよな。
この2人が会ったら喧嘩になりそうだし…

「おい、医者!」

「わっ…!
さ、佐那斗君…!」

「窓の外になんかあるのか。」

「い、いやぁ別になにもないよ~?」

「フン、白々しい。
俺にそんな簡単に見破れる嘘つくくらいなら本当のこと言えよ。

アンタのことどんどん信用しなくなるけど。」

「それは嫌だ~…。」

でも、本当のこといったら…

『あのウソツキ野郎か。
返り討ちにしてやんぜ!』

とか言い出しそうだし…。

やっぱり言えませんっ!

「佐那斗君、とにかく今日は帰ろうか!」

「はぁ?
なんでだよ、来たばっかじゃねぇか。」

「いや、名残惜しんでくれるのはとっても嬉しいんだけどもうそろそろ上って来ちゃうから…」

「誰が。」

あ。

僕のバカ!!
なんで自分から言っちゃうんだよ!!
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