〔B L〕朽ちた無花果
口に出せない。
でも言わなければ、升也さんに信用してもらえない。
僕の秘密、か。
自分でも笑っちゃうほど、どの秘密言ったらいいのか分からなくなるくらい多いな。
ほんと、精神科医が聞いて呆れる。
「…僕の秘密なんて、知ったら余計信用されなくなるかもしれないですよ?。」
「人の秘密なんて大抵そんなもんじゃないですか。」
…僕は、どこからどこまで話せばいいんだろう。
佐那斗君にさえ、話せていないというのに。
「ほらね?
他人に弱みを見せる奴なんていない。
だから貴方も口を閉ざすん「分かりました。」
「え?」
話して、信じてくれるなら。
それで升也さんの心を救う第一歩が踏み出せるなら。
「僕は……っ、僕は、その…。
っ昔、怖い人たちとお付き合いがあった時期がありました。」
「それは、職場に知れたら大問題ですね。
それで?」