〔B L〕朽ちた無花果
「…ハハ、顔、真っ赤だし。
汗もすごいし?
…晴って案外、まつげ長いんだ。
へぇ、綺麗な目だし、肌も白い。
顔も整ってる方だから…モデルくらいならできそうだな。」
「そそそっ、そんな間近で僕の顔を観察しないでくださいッ…!////
あと、近くで喋らないで…!//」
息が、息が顔にかかるっ…!
「晴って俺の事大好きだよなー。」
「んなっ…!」
ダイスキダヨナー、ダイスキダヨナー、ダイスキダヨナー…
頭の中で升也さんの声がヤマビコのように響いた。
ダ イ ス キ …?
僕が、升也さんを?
そんな事…!
「違う…!これは、恋なんかじゃ…っ、」
「お、図星?」
違う、違う…!
…違う?
いや、違う。
そもそも恋なんて何か分からないのに、違うも違わないも分かるはずがない。
…分からない。
どうして僕は、こんなにも泣きそうになってるんだ。
「…そんな顔すんなよ。
晴は赤い顔の方が、似合ってる。
まあ俺は新しい顔が見れて嬉しいけどな。」
そう言って、升也さんは僕を優しく抱きしめた。