恋する左耳は、嘘がつけない
「これから夏に向けて暑くなるじゃん? そういうときは耳どうすんの?」

「気合い」

「気合い!?」


汗は我慢。暑さはなんとかする。髪を下ろす方が大事なので。


「がんばって隠れる」

「隠れる方を頑張るんだ。赤くならないように頑張るのかと思った」

「勝手に赤くなるのを止めるのは無理だから」


そっかあ、と律儀に頷いた日向くんが、じゃあさ、隠してあげよっか、とこちらを見た。


「俺が隠してあげる。だから、誰にも見せないで。俺にだけ、ほんとのことを教えてくれる?」


ほんとのことも何も。


「わたしの耳が赤くなるのは、大半が日向くんのせいなので……」


日向くんだけだよ、を言えなくてかわいくない言い方をしたら、素直じゃないなあ、と笑われた。


「その分赤くなっちゃうんだからいいの」


髪をすくってみせると、日向くんの方が慌てている。


「だって、隠してくれるんでしょう?」
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