嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜
楽しかったよと浜中部長が言ってくれたので、わたしの対応は間違ってなかったのだろう。
歩いて移動するという後ろ姿が池上くんと並んで見えなくなるまで見送った。
そこまでがわたしの限界。
「主任・・・・・あの・・・・・タク・・・・・シー、つかまえてもらえ、ませんか・・・・・」
だいぶ呑んでいるというのに乱れないしゃんとした立ち姿の池上くんにお願いをした。
「成海っ!?」
息苦しくて、その場にしゃがみこむ。
足音が一旦遠ざかり、また戻ってきて池上くんがわたしを抱きかかえて立ち上がらせてくれた。
気管支が狭まり、ヒューヒューと嫌な音が耳につく。
さっきまで我慢できたのに・・・・・。
「お店の人にタクシー呼んで貰ったから」
池上くんの胸に縋りつくように寄りかかってやっと立っている状態だ。
タクシーが着いて乗せられ、池上くんが後から乗り込んできた。
「しゅ・・・・・にん、独りでだい・・・・・丈夫・・・・・」