嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜


「そんな状態で何言ってんだ!病院につけたらいいのか?」

コクンと首を縦にふり、バッグの中の財布から診察券を取り出したら池上くんがそれを取り上げ、運転手さんに行き先を告げ、電話を掛けてくれる。

「はい、成海千雪です。今から行きます、時間外入口ですね・・・・・はい」

電話が終わると池上くんがわたしの頭を引き寄せて肩にのせてくれ、その手が優しく背中を摩ってくれた。

「もうちょっと我慢しろよ」

苦しい息の下、耳元で聞く声に安心させられる。

病院に着くとまた抱えるようにされてタクシーから降ろされた。

時間外入口を入ったところで看護師さんに車椅子に乗せられて診察室に連れて行かれる。

「千雪、どうした?」

そこには義兄の友人である医師が居た。

「斯波せん・・・・・せ・・・・・」

「健太郎が今手が離せないからオレで我慢しろ」

ニットの裾から聴診器を入れて、斯波先生が眉間に皺を入れた。

「しっかり発作だな、何かあった?」

「すいません、接待で呑めない成海に呑ませてしまいましたが関係ありますか?」
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