嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜


黄昏かけた部屋が目に入る。

ゆっくりと身体を起こすと肩からブランケットが滑り落ちた。

いつの間にかわたしもうたた寝していた?

視線が彷徨う。

池上くんはどこにもいない。

隣で寝てしまったわたしに呆れて帰ってしまった?

胸の奥が痛い。

暮れていく薄暗い部屋の中で、どうしようもない寂しさが心を重くしていく。胸を押さえ、まるで何かから身体を守るように丸くなった。

噛み締めた唇の隙間から堪えきれない嗚咽が漏れる。



「成海っっ!?」



名前を呼ばれ、何かが放り出される音がした。両腕を掴まれ身体を起こされる。

「どっか苦しいのか!?」

焦ったように問いかける池上くんに違うと首を横に振った。

「ならなんでそんな泣いてる!?」

片膝をついてわたしのそばに座る池上くんが腕を掴む力を強める。笑おうとするのに上手くいかなくて、池上くんの視線から逃れようと身を捩った。

チッと舌打ちが聞こえて、身体がびくりと竦む。

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