嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜


面倒だと思われてしまった。

「ご・・・・・ごめんな・・・・・」

謝ろうとしたわたしの言葉は最後まで言えなかった。

池上くんがわたしを抱きしめる。

外から帰ってきたところなのか、触れるところが冷たい。両足の間に入れられて、息もつけないほど強く抱かれていた。

池上くんの首筋に顔が埋まる。

大きな手で何度も後頭部を撫でられる。



何か・・・・・夢を見ている・・・・・?



置かれた状況がはっきりと認識できない。

ゆっくりと池上くんがわたしの身体を離していき、目が合うと指先でわたしの涙を拭った。

「しゅに・・・・・」

発しようとした言葉が池上くんの唇に飲み込まれていく。


後頭部を撫でていた手が頬を包み込んだ。何度も何度も、繰り返されるキス。

初めは柔らかく、徐々に強くなる。下唇を甘噛みされて、その慣れない感覚に薄く口を開けると、スルリと池上くんの舌が口内に滑り込んできた。

< 99 / 153 >

この作品をシェア

pagetop