この度、友情結婚いたしました。
ここは無視したいところだけど、結局家に帰れば嫌でも顔を合わせることになる。

そう思うと渋々ながらも、電話に出るしかなかった。

「……もしもし、なにか用?」

普通に出るのもなんか癪でツンツンした声で出れば、電話越しからはイラッとするような声が聞こえてきた。


『用がなきゃ、わざわざ電話かけるわけねーだろうが!そんなことも分からないのか?』


どうやら〝ムラムラしない〟事件を根に持っているのは、私だけではないらしい。


「じゃあさっさとその用件とやらを話してくれませんかね?こっちは、どこかのバカの分までご飯用意しなくちゃいけないから、ものすごく忙しいんですが」

嫌味たっぷり言えば、向こうも当然反撃してくる。


『俺だってまどかに電話なんかしたくてしてんじゃねぇんだよ』

「だったらなんで電話してきたのよ!」

ここが人通りの多い歩道だということも忘れ、声を荒げてしまう。


『実家から電話があったんだよ!今日の夜、ふたりで飯でも食いに来いってさ』

「え……実家?」
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