この度、友情結婚いたしました。
呑気にお義父さんを観察していると、まだほとんど残っているというのに私のグラスにビールを注いできた。

「遠慮せずに飲みなさい」

「ありがとうございます」


零れそうなコップを取り、せっかく注いでもらったビールを口に含んだその時。


「ところで孫の顔はいつ見せてくれるのかな?」


「ブーッ!」

「うわっ!バカまどか!汚ねぇな!」


〝孫〟を催促されて、これが噴き出さないわけがない。


被害に遭ったのは目の前に座っていた春樹。
だけど、うん。被害者が春樹でとりあえず良かった。


「ごめん春樹」


建前上の謝罪の言葉を述べ、お母さんにティッシュを貰い口を拭くも、いまだにお義父さん……そしてしまいには春樹以外全員の視線が集中してくるから、居たたまれなくなっていく。


え、なにこの空気。
期待されまくりの視線が痛くて仕方ないんですけど。
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