この度、友情結婚いたしました。
「春樹君とまどかがこうやって結婚してくれたおかげで、俺達も家族になることができた。本当、春樹君には感謝しているよ。ふたり仲良く生活してくれればいいよ。……だけどまぁ、そのできるだけ早く孫の顔でも見せてくれ」


お父さん……。


初めて聞くお父さんの本音に、春樹に肩を抱かれたまま言葉を失ってしまう。

「そうねぇ、変な男のところにお嫁に出すより、隣の春樹君なら……っていつも言っていたものね」

「……別にいつもは言っていない」

お母さんにすかさず突っ込んできたお父さんに、みんな口元が緩んでしまう。


でも私と……春樹も素直に笑うことなんてできなかった。


チラッと顔を上げればさっきとは打って変わり、ぎこちない笑顔が見えたから。


お父さんの言葉がズシンときたのかな?
そりゃくるわよね。むしろこなかったら、いよいよこいつは最低バカ男決定だ。


軽はずみな気持ちで結婚しちゃったけど、両親に孫を期待されたりしちゃうと、やっぱりこの結婚はするべきではなかったのかもしれない、と思ってしまう。
……春樹もそう思ったりしちゃっているのかな?
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