この度、友情結婚いたしました。
もう一度彼の横顔を盗み見るも、どうもその真意は計り知れない。


「春樹君、これ俺が好きな日本酒なんだ。よかったら一緒に飲もう」

「ありがとうございます。……まどかも一緒に飲もうぜ」

そう言うとずっと抱きっぱなしだった肩を離し、グラスを差し出してきた。
すっかりお父さんも私に飲ませる気満々だ。

お酒は好きだけど、日本酒をグビグビ飲めるほど酒豪ではない。……でも思い返せば、お父さんと一緒にお酒を飲んだことって、あまりないかもしれない。
ずっと実家暮らしだったのにな。


そう思うと罪悪感を覚える。


お母さんにもだけど、お父さんにも伝えたいことってたくさんある。
実家を出ると気付くことばかりだ。

「じゃあ、少しだけ」

春樹からグラスを受け取り、お父さんとお互い注ぎ合う。


「どーせ今日は泊まっていくし、沢山飲んじまおうぜ」

そりゃ春樹は飲まずにはいられないでしょうね。
< 135 / 379 >

この作品をシェア

pagetop