この度、友情結婚いたしました。
そう思っていても、声を出すことも顔を逸らすこともできない。


驚きと緊張とドキドキ、そして戸惑い――。
沢山の感情に支配され、どうすることもできなかった。


徐々に近づく春樹の顔。
そして唇が触れてしまいそうな至近距離までくるとピタリと止まり、吐息交じりの擦れた声で囁いた。


「希望通り、孫でも作ってやろうぜ」


〝孫〟


その声にハッと我に返り慌てて両手を伸ばし、これ以上動けないように春樹の顔をガッチリホールドした。


途端に春樹は眉を顰めた。


「……まどかさん?この手は一体なんですか?」

「なにって分からないんですか?アホ春樹さん。バカの奇行を止めているんですよ」


春樹がニッコリ微笑めば、こっちも負けじと微笑んでみせる。


「なにが奇行だよ。別にいいだろ?俺達夫婦なんだからさ。キスもその先もこの際ヤッちまおうぜ」
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