この度、友情結婚いたしました。
だけど今はアホでもいい。

何としても自分の身を守らなくては……!


しばし必死の攻防を繰り広げている中、急に声が聞こえてきたと思ったら、ノックもナシにドアが開かれた。


「春樹、まどかちゃんも起きた――……の」


「あ」
「あ」


ドアが開く音と共にお互いの動きは止まり、そのまま顔だけドアの方へと向けてしまう。


「あらやだ、ごめんなさい」


ばっちりお義母さんと目が合ってしまい、私達の状況を見て察したのか、そそくさとドアを閉められてしまった。


もちろんすぐにお義母さんの喜びも似た叫び声が、ドアが閉まっているというのにバッチリ聞こえてきた。


放心状態に陥るとは、まさに今の状況を言うのかもしれない。


私も春樹もドアの方を向いたまま動けずにいるのだから。
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