この度、友情結婚いたしました。
乱暴に彼の腕を振り払い、二日酔いの頭の痛みを我慢して逃げるように部屋を出た。


そして乱暴にドアを閉めた瞬間、ドアにもたれ掛かるように座り込んでしまった。


なっ、なんなの春樹は!
一体急にどうしちゃったわけ?「抱く」ってなによ、抱くって!!


ストレートな言葉に、心臓がバクバクいっている。


最悪だ、なんで春樹にドキドキしちゃっているのよ。
ありえないでしょ、相手は春樹よ?あの!!


それにしてもさっきの言葉……ただ単に、売り言葉に買い言葉よね?
本気じゃないよね?


なんなのよ、あんたが友情結婚だって言ってきたんじゃない。
それなのにこんなの……っ!


「……バカ春樹」



ドアの向こう側にいる春樹に向かって呟きながら、胸のドキドキを押さえるのが精一杯だった。
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