この度、友情結婚いたしました。
すると琢磨は自分を落ち着かせようとなのか、深い溜息を漏らした。


「悪い、こればかりはふたりの問題だよな。……なのに部外者の俺が口出しして悪かった」

「ううん、そんな……。心配してくれて、ありがとう」


ごめん琢磨。
私には「ありがとう」としか言いようがない。


「ちゃんと帰ってきたら、春樹をとっちめるから。……だから、もう大丈夫だから!」

これ以上心配させたくなくて、平気なフリをして笑顔で言ったものの、琢磨はより一層苦しそうに表情を歪めた。


「なぁ……昔もそうやって平気なフリして、無理して笑っていたのか?」

「――え……?」


昔……?無理して笑っている?


「気づいていないのか?……まどか、今にも泣きそうな顔してる」


う、そ――だ。
そんなのあり得ない。どうして私が春樹に浮気されたぐらいで、泣かなくちゃいけないのよ。
そもそも泣く理由が私にはない。

「冗談でしょ?まさか……」

「冗談で言うわけないだろ?」

次の瞬間腕を引かれ、私の身体はすっぽりと琢磨の胸の中に収まっていた。
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