この度、友情結婚いたしました。
腕を掴んでいた手は離され、今度は両肩を掴まれドアに身体を押し付けられてしまった。
ドアと春樹に挟まれ、身動きがとれなくなってしまう。

「ちょっと春樹……?」

顔を上げれば、至近距離に彼の顔があって心臓が飛び跳ねる。


「まどかとは昔からずっと一緒にいるのが当たり前で、ただの友達としか思っていなかったよ。……でも、琢磨と付き合い始めたって聞いた時、寂しいって思っちまったんだ」

「――え?」

寂しいと思った?春樹が??

初めて聞く春樹の本音に、耳を疑ってしまう。


「でもそれはなんつーか……まどかとは兄妹同然に育っただろ?だからだと思った。いつも一緒に過ごしてきたけど、これからは過ごせなくなるのかもしれないって思ったから。……だからあいつが浮気したって聞いた時は許せなくて。まどかには内緒にしていたけど、琢磨の言う通り殴った。友達として許せないと思って殴ったんだけど……」


言葉を詰まらせ、そっと私の頬に触れてきた。

春樹の手は冷たくて、ひんやりとした感触に一瞬目を瞑ってしまう。

「さっきふたりの話を聞いていて、それは間違いだってことに気づいた」

胸が高鳴る。

間違いってどういうこと?……春樹は何が言いたいの?
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