この度、友情結婚いたしました。
「春樹……ねぇ、本当に大丈夫なの?」

「バーカ……大丈夫だって……言っている、だろ」


途切れ途切れの弱々しい声に、震えが止まらなくなる。


「やだ、しっかりしなさいよ。もっといつもみたいに罵りなさいよね!」

「なんだ……それ」


涙が溢れて止まらない。


こんな春樹知らない。

私の上から退くこともできないないんでしょ?本当は痛くて辛いんでしょ?


「春樹……っ春樹……!!」


次第に問いかけにも答えなくなってしまった途端、恐怖心で支配されていく。


やだ、やめて!

冗談じゃないわよ、このまま会えなくなったりしないわよね?

「びっくりしたか?」って言って笑ってみせてよ。今すぐに私の上から飛び退いて、泣いている私を見て笑ってよ。



震える手で春樹の背中に触れた瞬間、生暖かい感触に触れてしまい身体が強張る。


これって……血?


辺りが騒然とする中、頭の中は春樹を失うかもしれないという恐怖心で埋め尽くされていった。
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