この度、友情結婚いたしました。
「失うのが怖いほど、好きなんです。」
シンと静まり返る薄暗い病院の待合室は、より一層私の恐怖心を煽っていった。


手術中と赤く点滅したままのドアを、さっきから何度も見つめては手の震えが止まらずにいる。


「まどか、大丈夫だから落ち着けって」


あれから救急車が到着し、病院に搬送されていく間もずっと琢磨がついてくれていた。

正直、この状況で琢磨がいてくれて助かった。
だって私、救急隊の人や警察の人に聞かれても、うまく話せなかったから。


そんな私に代わって分かる範囲で琢磨が伝えてくれたのだ。


「さっき医者も言っていただろ?安心してお待ちくださいって」


琢磨の言う通り、手術前に説明を受け色々とサインとかさせられた時、そんなことを言われた。でも――……。


「でも春樹……血がいっぱい出てた」


救急隊によって搬送されていく春樹の背部は、ナイフが刺さったままの状態で真っ赤に染まっていた。

その姿を見てますます恐怖心に駆られてしまったんだ。


いくら先生が大丈夫といっても、元気な春樹をこの目で確認しない限り安心なんてできないよ……!

怖くて不安でどうしようもない。


ひたすら震える身体を両手で宥める。その時、バタバタと駆け寄ってくる足音が響き渡った。


「まどか!琢磨!!」

すぐに聞こえてきた声はあさみのもので、血相を変えて駆け寄ってきた。
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