この度、友情結婚いたしました。
大きな手は頬に触れたまま、何度もキスを交わしていく。


数ヵ月前までは考えられなかった。
春樹とこんなことしちゃうなんて。


ハグし合ってキスを交わして――。そのたびに、もっとして欲しいって願ってしまうなんて、考えられなかったよ。


次第に深くなる口づけに、今の体勢が苦しくなる。

「……っ春、樹」


キスの合間に呼びかけるも、止めてくれる気配はなくますます深くなるばかり。

もうだめっ……!


身体の力が抜けてしまった瞬間、一気に絨毯の上に倒れ込んでしまう。

春樹は私の上に覆い被さったまま、トロンと甘い瞳をして私を見下ろしていた。


あぁ、だめだこれ。
ドキドキし過ぎて心臓が壊れるレベルだ。


いつもと違う彼を見るたびに、胸が高鳴って仕方ない。


「まどか……」

愛しそうに名前を呼ぶと、また唇を塞がれていく。
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