この度、友情結婚いたしました。
突然なにを言い出すかと思えば。

「なんでそうなるのよ」

「アホか!琢磨との初体験は、思い出して頬を赤らめるほど記憶に残っているんだろ!?それなのに俺とは何の捻りもサプライズもない自宅だぞ!?」

「別にいいじゃない」

「よくない!!」


大きな声でピシャリと言い捨てると、勢いよく起き上がった。

「え、ちょっとなに!?」


そのまま私も起き上がらされ、ベッドから降ろされるとそのまま部屋を出て自分の部屋に押し込まれてしまった。

バタンとドアを閉められ、真っ暗な部屋の中で唖然と立ち尽くしてしまう。

そんな中、ドア越しに春樹の声が聞こえてきた。


「今度休み取れたら旅行に行くぞ!その時リベンジだっ」

宣言するように言うと、ドカドカと足音が次第に遠退いていき、ドアが閉まる大きな音が響く。

「……なんなのよ、いったい」


いきなり旅行ってなに?リベンジってなに!?


どうやら春樹には春樹なりのプライドがあるようで……。
宣言通り私達はいまだにキス以上のことをしていない夫婦である。



* * *


「うへぇ~!じゃあ本当にあのバカ春樹がいまだに手を出してこないんだ?」

「そうなの、びっくりでしょ?」
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