この度、友情結婚いたしました。
この五つの決まり事のおかげで、いまのところ一週間はそれなりにうまく春樹と生活できていると思う。

なんだかんだ言っても長年時間を共にした幼なじみだ。
お互い気心が知れていて気を遣うことはないし、一緒にいると楽しいし。


「このままなにもなければ、だけど」


そう。まだ始まってたった一週間。
このまま平穏無事に過ごせればいいんだけどな。

溜息をひとつ漏らし、警察署へと向かった。




「やば、遅くなっちゃった」

あれから警察署で免許証の変更を済ませ、ひとりで近くにあるカフェに入ったものの、初めて入ったカフェながら、あまりに居心地がよくて、気付けば随分と長い時間過ごしてしまっていた。

バスに飛び乗り時間を確認すると十四時過ぎ。

今から派遣会社に行って帰りにスーパーで買い物を済ませて、家に帰ってから家事をこなすとなると、けっこうギリギリの時間だ。
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