この度、友情結婚いたしました。
しばし鼻を押さえたままポーッとしてしまっていた私は、ハッと我に返る。


「はっ、はい!大丈夫です」


ひー!恥ずかしい!!
なにボケっと突っ立っちゃっているのよ、私!

きっとこの人が所長さんなんだよね?


「あっ、初めまして!内村……じゃなくて、大沢まどかといいます」


慌てて頭を下げ自己紹介したものの、言い慣れていない苗字に早速間違えてしまった。

すると頭上からはふたりのクスクスと笑う声が聞こえてきた。


「もしかして新婚さんなのかしら?」

「いや、普通に考えてそうだろう」


ふたりのやり取りにカッと顔が熱くなる。


〝新婚さん〟というワードには、どうしても気恥ずかしくなってしまう。


だって私と春樹は全然そんな感じじゃないし。


「お待ちしておりました。ここではなんなので、どうぞ中へ」

「鼻を冷やすもの用意するわね」

「すみません、失礼します」
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