わたしは年下の幼馴染に振り回されています
 わざとらしいほどよそよそしい言葉に、笑顔で微笑んでいた。

奈月は途中からわたしと拓馬のやり取りを見ていて、あのタイミングで声をかけてきたのだろう。

「誤解です」

 拓馬のことをかっこいいとは思った。

誰だって、かっこいい人にボーっとなったりはする。その一種でしかないと思う。

 絶対奈月はわたしの反応を見て楽しんでいる。

彼女は昔から拓馬と一緒だと、やけに生き生きしてきて、わたしをからかってくる。

拓馬も拓馬で奈月とは気が合うのか、わたしを省けは二人で一緒にいることは多かった。

 わたしはため息を吐きたくなった。

「拓馬君は優しくてかっこいいからね」

 母親は笑顔でそう言ってきた。

 「そんなことないですよ」と否定しているのは当然拓馬。

 だが、間違いなく拓馬は自分がかっこいいと自覚しているはずだ。

 そうでないとあんな行動をとらないだろう。
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