姫と年下王子たち
そして由香里は、ベッドに手をついて体を起こそうとした。


「バカ、まだ寝とけっ」

「…で、でも……」

「でもじゃねーよ。熱中症で、駅で倒れたんだってよ」


俺は由香里をもう一度ベッドに寝かせ、再びイスに座り直した。


「…熱中症?情けないな…、私……」


点滴の打たれている腕を見つめ、切なく笑う由香里。


「仕事がんばってる証拠なんだから、なにも情けなくねぇよ」
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