フキゲン課長の溺愛事情
「ええっ」

 大きな驚愕の声をあげたのは給湯室から戻ってきたばかりの優太だった。コーヒーの入ったマグカップをデスクに置きながら、勝手に会話に割り込んでくる。

「水上さん、和田さんになにしたんですかっ!?」
「ちょっと、あんた勝手に女子トークに入ってこないでよ」

 沙織が優太に言った。

「だって、この狭い部屋にいたら、どうしたって会話は聞こえてしまいますよ」

 優太は沙織に言ってから、璃子を見た。

「で、水上さんは和田さんをどんなふうにいじめたんですか?」
「なんで私が和田さんをいじめたことになるのよ」

 璃子は優太を睨んだ。

「今そうやって俺を睨んでいる水上さんと、ゆるふわパーマでいつもにこにこしている癒やし系の和田さんだったら、どっちの方が強いかなんて、そんなの誰が見ても一目瞭然じゃないですか」

 沙織が優太をじろりと見る。

「へぇ。あんたは和田さんを癒やし系なんて思ってるんだ。女を見る目ないのね」
「沙織!」
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