君を想う
日曜日。
待ち合わせの場所に行くとやっぱり今日も田辺さんは 先に来ていた。
「もしかして、今日も一時間前からここにいたんですか?」
「いいえ。今日は30分ぐらい前です」
30分……待っていると結構長いと思う。
「どうしたんですか?」
私は周りがちょっと気になって辺りを見回した。
この間、田辺さんに映画を見に行くと返事をした時はいつかの噂の事は頭になくて安易に行くと返事をしてしまったけど。
ここに着いてから急に噂の事を思い出していまい。誰か会社の人が見ていたらと思ったら急に心配になった。
「いいえ、何でもないです」
今のところ、知っている顔は見当たらない。
「じゃあ、行きましょう」
「はい」
田辺はチケット代を二人分出そうとし、私は直ぐに止めた。
「待って下さい。私のチケットは自分で払います」
田辺さんは首を振り「誘ったのは僕ですから」と言って払おうとした。
「悪いです。やっぱり自分で払います」
「分かりました。先にどうぞ」
田辺さんは折れてくれて別々にお金を出した。
「すみません。別々でお願いします」
チケット代を払い中に入った。