ずっと好きだったんだよ 番外編 ~悠也 side~
「アイツと上手くいったんだ」


少し離れた所にいた七海に声を掛ける。

最近、碓井さんと一緒にいる所を見掛ける事がある。

だから、付き合う事になったのだろと思っていた。

正直、まだ心から祝福はできない。

だけど、七海には幸せになって欲しいと思っている。

それに、“これからも友達でいて”と言ったのは、俺。

友達なら、“よかったな”くらいは言わないと。

あの時、七海に碓井さんの事が好きか聞いたら、“わからない”と言っていた。

だけど、七海が気付いていないだけで、あの時はもう七海は碓井さんの事を好きだったんだと思う。

“おめでとう”はまだ言えなくても、好きな人と付き合えたのなら、“よかったな”とは思う。


「あっ……。えっと……、まだ、付き合ってはないの……」


七海は少し気まずげに答える。


「えっ?そうなの?最近、二人でいる所を見掛けたりしていたから、てっきり……」


付き合っているものだと思っていたけど、まだ付き合っているわけじゃないらしい。

とはいえ、俺は七海に振られたんだし、七海にアプローチするわけでもないけど。


俺と七海の間に、気まずい空気が流れる。


「まだ付き合ってないけど、いい感じだって事よ」


そんな空気を察して、須賀が口を開く。


「そっか。まぁ、よかったんじゃないか」


そう言って、俺は七海に笑い掛ける。

今の七海にこの言葉が合っているのかわからないけど、俺は、そうとしか言えなかった。

須賀も俺の気持ちに気付いてか、こんな事しか言えなかったけど、何も言ってこなかった。


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