ずっと好きだったんだよ 番外編 ~悠也 side~
……えっ!?


奈緒の告白に、俺は驚き、声が出なかった。


「でも、悠也……、私の事は友達としか見ていないし……。それはわかっていたから、この関係を壊すのも嫌だった。そしたら、悠也、高校で栞と付き合いだして……。私も悠也の事を何度も諦めようと思った」


そういえば……

奈緒は結構告白をされていたけど、中学や高校の時は、誰とも付き合っていなかった。


「でも、同じ学校だと毎日悠也に会うでしょ?それに、クラスも同じだったし………。だから、なかなか諦められなかった。だから……、私の気持ちもバレないようにずっと隠していたの。
大学は別だったし、悠也の事を忘れられるって思った。それに、彼氏出来た。でも……」


大学に入ってから、奈緒は高校のバスケ部の先輩だった高橋先輩と付き合っていた。

その事を聞いた時は、驚いたけど。


「悠也以上に好きになれる人はいなかった……」


そう言って、奈緒は顔を上げる。


「今日、久しぶりに悠也に会えると思ったら、すごく嬉しかったんだ。悠也に会ったら……、やっぱり今も……、悠也の事が好きだって思ったの」

「奈緒……、ごめ……」

「待って!今は何も言わないで!だから……、謝らないで……」


俺が“ごめん”と言おうとすると、奈緒は目を潤ませながら、遮る。


「ただ……、気持ちを伝えたかったの。ごめんね。悠也の迷惑も考えないで……」


そして、


「聞いてくれてありがとう。ここでいいよ!じゃぁ、またね!」


にこっと笑って、奈緒は俺に背を向け、走って行った。


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