SEXY-POLICE79
第二章:ソードのA
急げ。いま自分ができることを。いま自分がしなくちゃいけないんだ。
もうこれ以上、だれも殺させないために。自分が動かなければ。そのためのチカラなんだと思うから、そのための存在だと思うから。自分のチカラは人を救うためにあるのだと思いたいから――――。

「先輩!?もう傷は大丈夫なんですか!?」

病室の入り口でばったりとあった柳沢は驚いた顔色で桐野を見る。それも当然だ。所轄を出て街中の街道に出たところで後ろが撃たれたなんて、そんな話を聞けば誰だって驚くに決まっている。そして救急車に運ばれたなんて聞いたら。

しかしどうしてか。見たところ桐野はすごくぴんぴんしていた。本当に重傷だったのかと思うくらい顔色も青白くなく生き生きとしている。でも、シャツから覗く包帯が彼の深い傷を思いただせた。

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