まるでペットのような彼
社内での噂も静まることなく、なんとなく仕事もしずらくなっていたら、上役から呼び出しをくらってしまった。


会議室で、目の前に部長が座っている。


「一条くん。社内の風紀を乱すような噂が流れているようなんだが、知っているかね?」


まったく、わかっていて呼び出しているくせに、何を言ってるんだかと思う。


「なんのことでしょうか?」

わざと白をきってみる。


「君のことと、君の旦那のことだよ。」


「そうなんですか。」


「もちろん全部が事実だと思っていないが、実によろしくない。」

また、回りくどい言い回しをしてきたよ。

「社内の風紀のためにも、なんとかしないといけないと思っているんだよ。」

「そうですか。」

「君も、管理職という立場なんだから、きちんとしないと示しがつかないだろう?」

「どうしたらよろしいんですか?」

「まぁ、僕は、君の能力を買っているから、なんとか力になってやりたいと思っているんだよね。」

そう言った部長の目付きは、とても言葉で現せないようなものだった。

(いやだ、気持ち悪い。)

「ありがとうございます。」

「それで、魚心でもあればなんとかしてやらなくもないんだがね。」

「どういうことでしょうか?」

「君だって、子どもじゃないんだから、わかるだろう?」


この目の前の五十過ぎたお腹の出てる白髪頭の親父がなんともな申し出をしてきた。


そんなん受け入れられるわけない。







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