まるでペットのような彼
郁美の妊娠を聞いて、いつもならホストクラブ一夜に行くんだけど、そんな気分になれなくてホテルのバーへ行った。


なんとなしに、一人で静かに飲んでみたかったのだ。

カウンターに座り、ジンフィズを頼む。


女が一人で飲んでるのが珍しいのか、一人の男が隣によいですか?と、座ってきた。

誰と約束したわけじゃないので「構わないですよ。」と答えた。

だけど、男は、話しかけるでなく黙って飲んでいる。


なんだか、不満に思ってチラッと隣を窺ったら、なかなかのイケメン。

少しトキメイてしまった。


まったく、私って奴は…

こんなんでトキメイてしまうなんて、どれだけ餓えているのかと思ってしまう。


黙って隣に座るイケメンに話しかけてみる。

「お一人なんですか?」

「はい。」

「私もなんですよ。」

「そうだと思いました。」

この答えは、なんだか私をイラッとさせた。


まるで相手のいない女みたいじゃない。

「じゃ、隣に座ったのは、私が一人で飲みたいと思ってたと思わなかったんですか?」

少し突っぱねるように言ってみた。

「あなたが、寂しそうだったので…」


「…」

なかなかなイケメンが優しげに微笑んで、そんなこと言うのって反則じゃない?

しかも、私の好み!









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