まるでペットのような彼
それから会社に戻っていつも通りに仕事した。



数日もすると12月も半ばになり、仕事もかなり忙しくなっていた。


年末に向けて、輸入の手続きが立て込んでいる。
土曜出勤も普通にあるほどだ。



悠との生活も相変わらず。


マユさんも、あれから見かけなかった。





1週間後にクリスマスを控えた金曜日。

定時でなんて、仕事が終わらないのは、当たり前のこの時期。

「一条係長~」

加藤さんが珍しく、私を役職で呼ぶ。
こういうときは、なにかお願い事があるときだ。

「どうしたのかな?加藤さん。」

「来週のクリスマスくらいは、定時で帰ってもよいですかね?」

「…進捗具合によるかな?」
「え~っ!彼氏とデートの予定なんですよ。」

「…あら、加藤さん。彼氏できたの?デートしたいなら、頑張って仕事終わらせなさい。」

「今月から付き合いだしたんですよ。一条さんだって、彼氏とラブラブしないんですか?」

「仕事優先だから…、まず今日のを終わらせちゃいなさい。」

「もう~、一条さん。いつも彼氏とラブラブしてるくせに~」
拗ねたように言いながら仕事に戻る加藤さん。


周りも仕事で、定時を過ぎても帰る人なんていない。



私が帰り支度するときには、21時を回っていた。




会社を出て駅に向かう途中で、見覚えのある人を見かけてしまう。








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