まるでペットのような彼
家に着いて、悠に聞いてみる。

「私とのこと聞いたりしないの?」

「聞いてほしいの?」

「え…いや…」

「郁美、あのとき嫌がってたし…
俺がマユといたのも聞いてこないじゃん。」

「それは…」
それは、店外デートなんて、仕事の一環だよね。
そりゃ、ほかの女となんてデートしてほしくないけど…
悶々としながら、考え込んでしまった。


「郁美?」
声とともに、目の前に悠の顔がアップになった。


「ふぇっ!」

「考え込んで~、またよくないこと考えてるんじゃないの?」

またって、失礼な~
たしかに、ネガティブになりそうだったけど…


「ほら、また考え込んでる。郁美って、人のこと悪く言わないけど、その反面、自分のこと悪く思いがちじゃない?」

「…」
なんだか、図星で言葉がでなくなってしまった。

「あの男は、元カレってとこかな?断りきれなくて、飲みに付き合っちゃった?みたいな?」

「…」
なんでわかっちゃうの?
悠って、私の心が読めるの?

「不思議そうな顔をしてる。そんなわかりやすくて、仕事のとき大丈夫なの?」

「…」

悠に、仕事のことを心配されるなんて複雑だ。

「郁美。またよくないこと考えてない?」

「…へ?」

「郁美が過去を気にしないって言ってくれたから、俺も気にしないようにしようとしてる。目の当たりにしちゃうとなかなか抑えが利かないけどね。
だけど、今日は、我慢しといたげる。」

それって…
しないってことかな?

「…って、しないってことじゃなく、手加減するってことだよ。」
と…
悠もとい肉食狼系大型犬は、私を食すのだった。

だけど、この大型犬との営みは、私に潤いと女としての自信を与えてくれる。






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