ハピネス
残念ながらまたまた聞こえなかったらしい千熊君が、ジレた様に比嘉君の肩を掴む。


しかし比嘉君は千熊君の手を振り払い、駆け出してしまった。


「何でもねぇ!オレやっぱり調べものしてくる!!」


「なっ……ちょっと待てよ龍汰!」


「お前頭いいからってこういう事きちんとしないと、成績下げられるぞーーーっ!!」


パタパタと走り去る比嘉君を、戸惑いつつも追いかける千熊君。


私は2人の姿が見えなくなってから、短く息を吐き、天井を見上げた。


「なんとまぁ……人間って色々複雑なのねぇ………」


私には前世があるのか分からない。
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