ハピネス
天使って皆優しくて立派な人ばっかりじゃないんだなと小さく眉間にシワを寄せて、食べかけのお弁当箱を戻す。


「アレ天祢、アンタもう食べないの?」


まだご飯もおかずも残っているお弁当箱を片づける私を見て、惟万理が首を傾げた。


「うん。実は今から行かなきゃいけない所があって……私行ってくるから、惟万理は千熊君とご飯食べてなよ」


「………と、言われても、士源今比嘉君と食べてるしね……まぁいいや、行ってらっしゃい」


ピラピラ手を振る惟万理に私も手を振り返して、教室を出た。


「ねぇ、リリア、これからどこ行くの?」
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