無愛想で糖度高めなカレの愛
そんなに前から、こんな私のことを見ていて、好きになってくれたんだね。

嬉しさと感謝とで胸が温かく包まれ、自然と笑顔になる。そんな私を、夕浬くんは真剣さを湛えた瞳でまっすぐ見つめる。


「俺は、これからもあなただけを愛しますよ。それを望んでくれるなら、いつまでも」


トクン、と音を立てて、またひとつ幸せが私の中に染み込んだ。

ずっと欲しかった、私だけに向けられる真摯な愛を、この人は与えてくれる。

そう確信しながら、彼の首に腕を回して抱きつき、おねだりするように言った。


「それしか望まないよ。……ずっと、こうしていて」


我ながらなんて恥ずかしい発言だと思ったけれど、彼がとても幸せそうに微笑むから、そんなのはどうでもよくなってしまった。

欲しいままにお互いを求め、溶け合って、最高に甘い夜が更けていく。

甘い恋が苦手になってしまっていた私が、それを克服できた夜だった。




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