無愛想で糖度高めなカレの愛
お風呂から上がり、髪を拭きながらダイニングのドアを開けると、沙織がテーブルの上で何かの箱を開けている。


「あ、あき姉。今日会社の人からお菓子もらったんだけど食べる?」

「へぇー、何?」


彼女の手元を覗き込むと、透明な袋に包まれた、小さな楕円形のケーキのようなものが見える。色からしてチョコレートであることは間違いない。


「チョコのスフレだって。一個食べたけどしっとり濃厚で美味しいよ」

「うん、見るからに美味しそう。でも……今日は遠慮しとこうかな」


なんとなく食べたい気持ちにならなくてそう言うと、沙織は奇妙なものを見るような目で私を見る。


「どうしたの? あき姉、いつもならこういうの飛び付くのに」

「んー、なんとなく。でも明日食べるからキープしといてね」


沙織は不思議そうにしつつ、「りょーかーい」と言った。

私がスイーツを遠慮するなんて、たしかに珍しいこと。思考が仕事でいっぱいになっているせいかな?

ぼんやり考えながら、お茶を飲もうと冷蔵庫に近付くと、マグネットで貼られた買い物メモが目に入る。

買うものを忘れないようにメモしているのだけど、間宮家では実家でも冷蔵庫に貼るのがお決まりなのだ。

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