無愛想で糖度高めなカレの愛
「……おはよ、明穂さん」

「あ、お、おはよう!」


眠たそうな瞳で私を見上げる彼にキュンとしつつ、無駄に元気な挨拶をしてしまった。

夕浬くんはぼうっとしたままベッドサイドに置かれた時計を見て、「七時か……」と呟く。

あぁ、同じベッドで朝を迎えたことが、なんだかとっても気恥ずかしい。


「私、しっかり寝ちゃった! ありがとね」


特に急いでいるわけでもないけれど、そそくさとベッドを出ようとする私。

その時、手首を掴まれたかと思うと、ぐいっと引っ張られる。


「きゃ──!?」


体勢を崩した私は、まだ横になっている夕浬くんの胸に飛び込んでしまった。

すぐに唇が触れ合いそうな距離にある瞳は、どこか寂しげに私を見つめている。


「もう少し、このままでいてもいいですか? 恋人気分を味わってたいんで」


──きゅうっ、と胸が鳴いた。

ダメだなぁ……夕浬くんに言われると、拒否するどころか私もそうしたくなってしまう。

ほんのり頬が赤くなるのを実感しながら、何の抵抗もせず彼の胸に顔を埋めた。

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