無愛想で糖度高めなカレの愛
速くなった鼓動が治まらないままオフィスに戻ると、ほとんどの社員がお昼休憩に入っていて、私も美結ちゃんとランチをしに向かった。

会社の裏手にある小洒落たログハウス風のカフェは、女性社員の憩いの場。

私達も行きつけのここでランチプレートを食べながら、夕浬くんに告白されたことをかい摘まんで話した。


「やったじゃないですか! そっかぁ、河瀬さんは先輩みたいな人が好きだったんだ~。へぇ~」


好物のグラタンにもまだ手をつけず、顔が緩みっぱなしの美結ちゃんを見ていると私も照れてしまう。


「お願いだから内緒にしておいてよ」

「もちろんわかってます! 篠沢さんに知られたら面倒そうだし」


あぁ、たしかに……と今さらながら周りを見回し、課長がいないことに安心して温かいコーンスープを口に運んだ。


「でも先輩、これで虫歯にならずに済みますね」

「何で?」


なぜ突然、虫歯の話が出てくるわけ?

片眉を上げる私に、やっと箸を進め始めた美結ちゃんが得意げな顔をしてみせる。

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