無愛想で糖度高めなカレの愛
缶コーヒーのCMみたいに絵になる姿で一服する恵次は、薄い笑みを湛えたまま返す。


「まぁ、チョコは進んで食べないだけで嫌いってわけじゃないし。自分の能力を高めるためには、新しい分野に挑戦することも必要かと思って」

「……そっか」


向上心が強いところも、人としてポイントが高いところよね。

篠沢課長によれば、ここでもいきなり課長補佐の位置につくという異例なことらしいし、昇進の方も特に問題はないのだろう。むしろ、前の会社よりよかったりして。

密かにそんなことを思っていると、恵次は視線を宙にさ迷わせながら言う。


「でも、決定打は明穂かな」

「え?」


どういうことなのかと、首をかしげて彼を見つめると、力強さを感じる瞳と視線が絡まる。


「お前に会いたかったんだ。もう一度」


……“会いたかった”? 何それ、また甘い言葉で惑わそうとする気?

一瞬真顔になってしまったけれど、すぐに呆れてふっと鼻で笑う。


「やめてよ、そんな冗談──」

「冗談じゃない」


ぴしゃりと言い放たれた言葉に、私は口をつぐむ。

ゆっくり彼を見上げると、真剣な眼差しが私を捉えていて、ドクンと心臓が重い音を立てた。

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