月下美人の咲く夜を
「……………ウソ……?」
夢を…見てるのか。
幽霊を…見てるのか。
目の前にいるのは確かに咲月で…、
僕が誕生日にプレゼントした白いワンピースを着て、膝をついた姿勢でベッドに手をついていた。
「咲月?…夢?」
ただ呆然とそう呟くしかない俺はきっと、まぬけな顔をしていたと思う。
おそるおそる手を伸ばし半信半疑でその頬に触れると、彼女はその手を包むように自分の手を添え、愛おしそうに目を閉じて一粒の涙を零した。
「約束したでしょ?月下美人に想いを託すって…。
月人、ありがとう。
大切に育ててくれて。」
涙を浮かべながらに微笑む顔も、触れた頬や手の温もりも…咲月。
確かに、咲月だった。