月下美人の咲く夜を

手を繋いだままもう片方の手でそっと花に触れる。

「ホントに…君なんだね。咲月。」

握られた手を強く握り返し彼女を見つめると、咲月は嬉しそうに…ふわりと笑った。

「うん。願って願って、祈って祈って。

狂ってしまいそうだったけどそれでも、月人に会いたかったの。

たった一度でいいから、触れたかったの。」


どんなにこの笑顔が見たかったか。


どんなにこの手に触れたかったか。


「月人…月人。…つき……と……。」

笑顔のまま涙をこぼす彼女の唇からは、溢れるように俺の名前が聞こえた。

その声は切なく苦しく掠れていて…

まるですぐに消えてしまうんじゃないかという不安に駆られた次の瞬間にはもう…



キツく抱きしめていた。



奪うようにキスをした。



「咲月……咲月。

俺も会いたかった。

会いたかったんだ。咲月……!」


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