ぼくらのストロベリーフィールズ


そして、月曜日。


一吾くんの家から、彼と一緒に学校へ向かった。



「おーやっと一吾来たー。久しぶりー!」



校門近くで尚紀くんと会う。


一吾くんは軽く手を上げた後、尚紀くんと雑談しながら校舎へ進んだ。


あ、一吾じゃーん! と他の友達も数人その中に混ざっていく。



男子たちの中にいるのも悪いかな、と思い、みんなの一歩後ろを歩いていると。



尚紀くんがくるっと振り返り、

「のばらちゃん、良かったね」と言って、流し目のまま微笑んだ。



「え? あ、うん!」



複雑な気持ちになりつつも、とりあえず頷いておいた。



すると、ヒュウガくんも私に気づいたのか、

「あ、そーいえばお前空き巣入られたんだって? 近所でウワサになってたよ」

と話しかけてきた。



うっわ、まじー? 

俺、朝刊で見たかも。小さくだけど空き巣逮捕って載ってた!


などと、前を歩く男子たちが騒ぎ出す。



「ま、まーね。あははは……」



うわ。あのマスク男の件、小さいながらもニュースになったのか。



「なーなー誰かが犯人取り押さえたらしいじゃん。どんな感じだったの?」


ヒュウガくんがそう続けたため、私はちらっと一吾くんを見た。


彼は興味なさげにスマホをいじっている。



仕方がないので、「近所のおにーさんが駆けつけてきてくれてさー」と所々ぼかしながら話した。


へーすげー! と男子たちから声が上がる。



尚紀くんだけは何かに気づいたようで、一吾くんを肘でつっついていた。


一吾くんは首をかしげた後、校舎に向かっていった。




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