ぼくらのストロベリーフィールズ



一吾くんは冷蔵庫から麦茶を取り出しコップに入れた。



その男の子は「へーーー女と住んでんだぁ」と言いながら、嬉しそうな顔で一吾くんを見た。



軽くパーマがあてられた髪型に、大人っぽさとあどけなさがミックスされた顔立ち。


どっかで見たことのある制服を着ている。


えーと。ファッション雑誌とかによく載ってる、都会の名門校のやつに似てるような……。



私がここにいていいか分からず、そわそわしていると。



「あ、どーも。お邪魔してまーす」



ペコリとその男の子は私に頭を下げた。


私もはじめまして、と言っておじぎをしておいた。



一吾くんは珍しく今日はバイトが休み。


その男の子は一吾くんの中学時代の友達で、新幹線でここまで来たらしい。



状況がつかめない私に、一吾くんはこう言った。



「おれものばらも結構バカじゃん。こいつ頭いいから呼んでみた」



とりあえず、私は軽くバカにされたようだ。


まあ確かに成績もよくないし、頭も回りませんけど!



「というわけで俺、呼ばれたみたい~。あ、准っていいまーす。よろしくねっ」



准くんという人はそう言って、ニッコリと笑った。




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