ぼくらのストロベリーフィールズ



「あたし西中出身。菜月さんは?」


「私は第二中だよー。あ、そのシュシュ可愛いね~」


「本当ー? これ安物だよ~」



私は1年D組だった。


同中出身の子が少なくて心細かったけど、近くの女子たちと楽しく会話ができたので、ほっとした。


その中でも。


「ねーねーさっき北中出身の尚紀クン見ちゃった~。やばい、超カッコ良かった!」


一番目立つのは、たれ目メイクとグロスたっぷりの唇が特徴的なナズちゃん。


よくいる男好き系の女子らしい。



「ねーねー、みんな彼氏いるのー?」


「うちはいないよー。早く彼氏欲しい~」


「ナズもキープっぽい人ならいるけど、今はフリーだよ。ってかさー元カレからのラインがうざくて」


「キープって、すごーい。ナズちゃんモテそうだしね~」


「えーそんなことないよー。近づいてくるのは微妙な男ばっかだし」



どんな内容でも、ナズちゃんはするっと会話の主役になっていた。


うん、あまり逆らわない方がいいタイプっぽい。



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